台風が接近すると自分の乗る飛行機が運航されるのか、とても気になりますよね。一体どんな状態だったら運航されるのか一緒に見ていきましょう。
旅行される方、大切なお仕事がある方、帰省される方など飛行機に乗られる方もいろいろ理由があります。とても大切な機会なのでぜひ読んでみてください。
目次
運航される場合
航空機が飛行する航路上に台風がいるとき
例えば、東京から香港へのフライトで沖縄付近に台風が接近しているときなど、台風の雲の高さにもよりますが、基本的に運航されることが多いです。
ただし他の便も台風を避けるために、運航されるところが多いことから、「航空管制都合」という理由で大幅な遅延が発生する可能性があります。
※ では、「航空管制」とは一体何なのでしょうか?
基本的に航空機は、決まった航空路を決められた高度や間隔を空けて飛行しています。
あるところからあるところまでの航空路が1000キロあったとき、それぞれの航空機が50キロ空けて飛行してくださいという指示があったとします。
このときに、この1000キロの間に20機の航空機が飛行していた場合、他の航空機が入ると安全な50キロという間隔が取れなくなります。その場合、すでに飛んでいる飛行機ではなく、地上にいる安全な航空機に「この航空路を使うなら何時何分に飛んでもいいですよ、この時間なら問題なくその航空路に合流できますよ。」という指示が出されます。
厳密にいうともっと難しいのですが、簡単に言うとこのようなルールをイメージしていただけるといいかと思います。
地上と書いてますが、状況によっては当然すでに飛行している航空機に対しても発効される場合があります。
台風が最接近していても風向きが問題ない場合
基本的に台風なので風が強く、航空機が大きく揺れる場合がありますが、離着陸に対して向かい風の場合は、ビックリするかもしれませんが制限がありません。
そのため、台風が最接近し暴風が吹き荒れていても意外と通常通り運航されていることもあります。ただし…台風の速度によっては一瞬で風向きが変わり、滑走路に対し正対できないときは、残念ながら目的地変更、もしくは出発見合わせ、最悪欠航になってしまうことがあります。
欠航する場合
出発地到着地の天候が荒れている場合
先ほど、風の状況によっては運航されることがありましたが、出発地到着地の天候が荒れていて、横風など航空機の制限を超えることが予測されている場合は、残念ながら欠航という判断がされる場合があります。
機材繰り・乗員繰り
単純に飛行機または乗員がいない場合です。
よく国内線にあるのが、乗る区間は羽田空港から新千歳空港。台風は福岡にいる。
一見関係なさそうに見えるのですが、その便を飛ばす飛行機を使用する区間が、
「沖縄→福岡→羽田→新千歳」
というルートで使用されているかもしれません。
全く関係のない羽田空港から新千歳空港までのフライトですが、福岡空港から羽田空港へのフライトが運航されなければ、残念ながらこちらも欠航となる場合があります。
多くの国内線・近距離国際線
言い方に語弊があるかもしれませんが、単純にたくさんフライトが飛んでいることろ、地上交通でも移動が可能な場合、振り替えが簡単にできるため、欠航(間引き運航)となることも多いです。また沖縄便や新千歳便だと、当該便は欠航となっても後から臨時運航する場合があります。
一言で国内線と言っても、その時の乗客数などによって臨時便が飛ばなかったりすることもあるので、半分くらいは運とも言えるかもしれません。
長距離国際線
こちらは、空港が壊滅的な被害を受けた、航空機の破損など滅多なことがない限り欠航となることは少ないです。日本の会社であれば、復路の乗客数などにも左右されます。日本以外の外国籍の航空会社は思い切った判断で、欠航となってしまうこともあります…。
ただし台風の通過を待つために12時間遅れなんてことは頻繁に発生しているので、やはり最新の運航状況を各会社のホームページで確認するのが良さそうです。
その他
同じ時間帯に2つの航空会社にフライトがあり、A社は運航しているのに、B社は欠航になった!A社が運航できるならB社も運航できるじゃないか!!という考えもお持ちの方もいらっしゃると思います。
こちらは天候に問題があってもなくても、翌日便に機材繰りで大きな影響が出そうな場合、あらかじめ飛ばさないという判断をされることも多いです。
例えばA社は運航して成田から沖縄まで行きました。B社は成田にいるとします。仮にA社が沖縄まで運航可能でしたが、到着の時間帯には台風の影響がなくても、折り返しの沖縄出発時に台風の影響を受け、やむを得ず遅延とする場合、到着空港(この場合なら成田)の夜の運用時間の計算をしないといけません。
運用時間が超過した場合は、基本的に離着陸はできません。騒音問題もありますので…。
運用時間が超過すると当然他空港に着陸することになります。
そうすると、その機体を成田に戻さないといけません。
国際線仕様、国内線仕様といろいろな種類があり、それによって予約も受け付けてますので、簡単にその機体を他空港から別の空港の運用に回すことは難しくなります。
マニアの方でなくても、この機種、このシートだからあえてこのフライトを選んだ!この会社を選んだ!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も若干詳しい部類に入ると思うので、特に国際線に乗るときは機種やどんなシートかというところにこだわってしまいます…。
さて、先ほどの話に戻りますが、このリスクを冒してまでA社がそのフライトを飛ばしたいのか、それともB社は安全に休ませておくか、他の目的地にその機体を充てることで少しでも収益を上げたいのか。ここは各社考えが分かれると思います。
まとめ
ここまで読んでいただきありがとうございました。
航空機運航に関しては本当に様々な理由で、運航の可否が決定されます。
台風の際など、出発間際まで天候調査と表示されていてやきもきされると思いますが、私たち航空機に携わるものたちとしては、悪天候のときも運航させたいという思いで協力してやっていますので、ご理解いただけると助かります。
結局航空会社や受付カウンターにいる職員に聞いても、同じ回答になってしまうかもしれません。内部的には運航するのか欠航するのか決まっていても、社内での混乱を招かないために、あえて職員にも伝えていないことも多いです。
(みんなが情報を持つことはとてもいいことですが、あらぬところから運航するよ!という情報が伝わってしまうと、現場も大変なことになってしまいます。運航を予定していても、急な気象変化、状況悪化により欠航するということがあります。)
社員が「まだ未定です」と言ったときは、本当に情報を持っていない可能性があるので、天気だから仕方ないねと優しく対応いただけると助かります。
本日もありがとうございました。
みなさんの安全な旅を祈ってます!
よっしーでした(^^)/